ユーモアの情味

  イントロ

 

ユーモアのスパイスをひとふり日本と西洋の文化は、何かにつけて衝突する傾向にあります。そしてこの2つを水と油にたとえると、日本人は、たぶん自分たちを水(純)、外国人を油(汚)と考えるでしょう。2.3ページ程度で一国の文化について述べることはとても無理なので、こ こでは日本文化の特徴の中でも当たり前な、もしくは腐敗した部分に焦点を絞って書こうと思います。

 

ガイジンにとっての問題

 

日本に住む外国人は、様々な問題にぶちあたります。まずは、「ガイジン」と呼ばれることです。道を歩いていたら、子供が、さらに悪いこと には大人すらも、この言葉をうれしそうに大声で口にするのを耳にすることでしょう。これは、都会よりも田舎の方でよくあることです。

 

  いわゆる「サラリーマン」、特に年配で酔っ払っているのも、外国人にはやっかいな問題となります。私も東京に住んでいたときに、何度か酒臭い 息をした「サラリーマン」に声をかけられるという光栄に与りました。そういうときに聞かされるのは、決まって「外人!エイズ!」「外人!ば を歩いているとか、電車を待っているとか、決して不愉快さを与えるような行動をしているわけではないのにです。しかし、このような「サラリーマン」は、ちょっとにらみかえせばそれだけで一目散に立ち去っていってくれます。毅然とその反感をぶつけようとしてくる人には、まだ出会った

 

「タレント」

 

これは偏見なのか何なのか、日本人は外国人には、自分たちの持っている型通りのイメージに応えてほしいという願いがあるらしいのです。たとえ ば、白人にはつねに「おどけ者」でいてほしいと思っている。残念なこと に、アメリカやイギリスからやってきたいわゆる「テレビタレント」が、 そのイメージを売り物に日本で稼ぎを得ています。そうして自分の故国、 自分自身、そして日本人に甚だしい害を与えているのです。そしてこの間 違ったアイデアを多くの日本人の頭に植えつけ、他国の文化に対する理解 を遅らせているのではないでしょうか。この「タレント」たちはまた、ま じめな(?)トークショーにまで出演し、ときに重大な事柄に関して意見 を述べることすらあります。でも本当の意見を言っているとはとても思え ません。

 

反外国人感情

 

日本人の反外国人感情は、あらゆる形で表現されます。特に政治家やマスコミはそれをあらわにします。ここで、日本に住んでいない人にはあまり 知られていないと思われる、日本人の反外国人感情の分かりやすい例を5 つ挙げてみます。

 

1.パチンコ屋の入り口のところに、間違った英語、もしくは日本語で「外 人お断り」と書かれた貼り紙がされているのは珍しいことではありま せん。このような貼り紙は、パチンコ屋に限らず、公共施設や風呂屋、公 共プールやスポーツクラブなどでも見られます。あるブラジル人女性は「外国人お断り」をあらわにぶつけられました。この女性は、静岡県浜松 市のある宝石ショップで、ぶらぶらと品物を見ていました。すると店の主 人が「どこから来たんですか」と聞いてきました。「ブラジルです」と答 えると、その女性はいきなり店を追い出されてしまいました。この店主は 後にどうしてそのような行動をとったのか聞かれ、「目をまっすぐ見つめ られ」、「他の日本人の客が品物を見て回るのとは違う風に店の中を歩き 回られた」からだと答えたそうです。これはもしかすると人種差別?女性

     は、この宝石店主を相手取り提訴中ということです。

 

2.ゴミ回収日は近所に外人の住む地域では、ちょっとした事件となり得ます。日本では、ゴミ回収日は、燃やせるものと燃やせないものの日に分か  れています。そんな中、回収の対象ではない種類のゴミが出されていると すると、近所の人(日本人)は必ず「外人の仕業に違いない」と推測する のです。そしてそのゴミを外人の住むアパートのドアの前に持っていきま す。多分それはその外人が出したものではないだろうにもかかわらずで

 

3.昔アパートの一階部分に住んでいた時、あまりにも頻繁に洗濯物を盗ま れるので、交番に届けたことがあります。自転車に乗ってやってきた警察 が日本にいるのかといった尋問に移りました。やっと苦情の件に話が戻っ  たかと思うと、「よくあることだよ、下着は外に干さないことだね」と こっちが逆に注意を受けてしまいました。もしあなたが、特に若い女性 で、日本に住んでみようと思っている外国人だったら、日本には姿の見え

     

4. 「世の中には日本語を話せる外国人もいる」とは、露ほども思わない日 本人が多いが、これは外国人にとっては都合がよいことが多い。たとえ ば、NHKの集金が来た時、英語で「分からない」と言って、理解できない振 りをすれば、大抵すぐに諦めて帰ってくれるらしい。こんなケースもあり ます。友人のアメリカ人が、都内を夜運転をしていて、警察の飲酒運転の検問に引っ掛かった。この友人の車の窓をのぞきこんだ警察官が、そこに 外人が座っているのに気がつくと、何も言わず「行っていい」という風に のことだったのでラッキーだった、というおちまであります。

 

5.「国 際結婚」と聞いて眉をひそめる日本人は今だに多いよ の子供は、片親は日本人であるにもかかわらず、アウトサイダー、すなわ は、常に気を付けてやらなければならないということになります。

 

リカ人、フランス人その他の人種と同じで、他国の人間に対する寛容さの  持ち合わせが少ないのでしょう。このような例を見て、白人も自国で差別 の対象になっている人達の感情を今一度考え、理解し、同情の念が寄せら

  れるようになればよいが、と思います。そのためにも、特に若い人には 期間でも日本で学ぶなり働くなりの経験をするのはためになると思いま

 

スキャンダル

 

日本では、スキャンダルはあまりにも当たり前のことになっていて、人々は気にもとめていられないようです。銀行家、 いられないほどです。もっと関心をひかずにいられないことには、こう いった「常習犯罪者」たちが、実際に刑務所に入ることはないということ です。有罪、しかし執行猶予付きが関の山です。これでは彼らが素行を改 めるなんてことは全くなくて当然でしょう。ここでいう「汚職」には, 様々なやり方があります。たとえば、行き過ぎた政治献金、夜毎繰り広げられる高価な飲食、贅沢な旅行、公然と渡される現金等々・・・たとえ告  発されてももちろん無罪を主張し、それが難しくなると自分の秘書のやっ たことに違いないと言う。こんなこともありまた。汚職疑惑で起訴され た、ある政治家が自殺した。すると今度はその妻が死んだ夫の地位の後を 継ぐべく選挙運動を始めた。

 

このような政治家しかいないのでは、投票率が低いのも、日本人が政治に対する興味を失ってしまったのも当然でしょう。日本の大会社には、会社で推薦する人物を決め、すべての雇用者 にその人物に投票するように言ったり、バスに乗せて団体で投票所まで連 れて行くところすらあるということです。ビジネスと政治の癒着は、ここ ではいまだに強いのです。改革を叫ぶ、その同じ政治家が一方ではその恩 恵を受けているのだから、あまり期待はできないでしょう。

 

  外国人労働者の権利

 

  日本で働く外国人に与えられる権利は0に等しい。つまりクレジットカードを取得するのは難しい(不可能かもしれない)ほど不安定な地位しか与えられません。何年もの間日本に住んで働いていても、永住権や、市民権 を得ることはなかかな出来ません。しかし、同じ外国人でもこれがスポー ツ界の「スーパーヒーロー」や、テレビタレントとなると話は別です。特 に野球選手、相撲の力士、サッカー選手だったら、驚くべき早さで市民権 を手に入れられる。これが一般人となると、そう簡単にはいきません。ビ ザを取得するには、1年に1回(私は3年に1回だが)入国管理局まで行き、2時間以上は待たされ、手数料を支払います。そして、何日か後にビザを受け取りに、また同じ所に出向かなければなりません。休暇などで日 本を離れるときは、またそこへ行き、再入国ビザなるものにお金を払うのです。これは、特に故国に住む家族が病気になって一刻も早く帰りたいと きなどには、全く不便な話です。あるアメリカ人の友人が実際に経験した ことなのですが、彼女の父親が病気で深刻な状態にあったとき、彼女は飛行機の次の便ででも帰りたいぐらいなのに、このわずらわしい手続きを終 えるまで帰ることは出来なかったのでした。

 

犯罪

 

もともと低かった日本の犯罪率が、少しずつ上昇しているのは外国人のせ  いだと言われるのは当然といえば当然かもしれません。そしてこの説にも 一理はあるでしょう。しかし外国人は不法滞在者でないかぎり、全員外国  人登録証を持たされ、この登録証をもらう前に指紋もとられています。ア ジア人ならともかく、外国人は人込みの中にいてもとにかく目立ちます。「反外国人感情」の項でも述べたように、たいていの日本人は近所に住む  外国人には目をつけています。少しでも不審なことがあれば、すぐさま地 元の交番に届けるでしょう。アジア諸国からの不法移民が一網打尽に逮捕 されることが多いのも、こういった協力があってのことではなかろうか?

     

そして日本人の犯罪者も決して少ないわけではないのです。特に若者は今までの「主流」からは外れる傾向にあるようで、薬物乱用、窃盗のみならず、中年のサラリーマン相手に暴行をはたらいたり、自動車を乗っ取った りすることもあります。今では夜は道を歩くのにも注意が必要となってし まいました。東京もニューヨークやロンドンのようになりつつあるので

 

女性の権利

 

日本における女性の権利は、西洋に比べればまだまだ遅れをとっています。しかし現代日本人女性は、たいていの西洋人が持つ、夫に対し従順 で、いつでもお辞儀をしているようなイメージには全くそぐわないでしょ う。日本の妻たちは、たいていの場合(うちもそうだが)財布のひもをしっかり管理し、夫には自分が与えてもいいと思うだけ小遣いとして渡す のです。

 

それでも職場における女性の地位はまだまだ低いのです。「OL」は、男性社員と同じように同じ時間働いても、給料は少ないし、出世も難しい。朝 のお茶汲みも大抵女性の仕事です。ホステス役をやらされるだけでなく、 酔っ払った上司などに体を触られるような危険さえあるようなアフター5 は、簡単に首を切られてしまう危険性にもさらされています。何といって も出産だけでなく結婚すら解雇の理由とされてしまうのですから。

 

子供を産んでも働きたいという女性は増えましたが、働きたくても、産 休・育休が明けて復帰しなくてはならなくても、今度は子供の預け先となる保育園を見つけるのが大変です。新しい仕事を見つけようとすると、正 社員になるのはまず難しいでしょう。そして たとえ、パート、派遣の仕事が得られても、正社員ほど確かな地位を得ることはできません。たとえ正社員と同じ時間はたらいても、人件費削減と いうことになれば真っ先に首という不安定な勤務形態です。このような状 況が、女性は自立できず、たとえ家庭内離婚のような状態であっても、夫 についていくしかないという事情を生み出しているようです。

 

しかしこのような日本人女性を取り巻く環境は変わりつつあるのかもしれ ません。若い女性には、結婚に縛りつけられるより独身で通し、キャリア ウーマンを目指そうとする人が増えているからです。

 

サラリーマンについて、もう一言

 

「よき友人」ともいうべき(?)サラリーマンについて、もう一言述べさ 没します。何といっても電車の混みかたが違うのです。でもそういう時の おやじの満足げなにたにた顔は、見るに堪えないものがあります。満足し  たいのならもっと他の方法があるだろうにと思います。露骨な行為で、女  性は恥ずかしくて我慢するしかなくてだまっているという状況に私も何度 も出くわしたことがあります。12ヶ月ほど前には、秘密捜査中の警察が そういう行為におよんでいる痴漢を現行犯逮捕したところ、実はその痴漢 も警察官だった、ということもありました。

 

  私は、3人の女性から、レイプされそうになった経験を告白されたことがあ ります。そのうちの2人は何とか逃げ出すことができたということですが、 残りの1人の状況は少し違いました。その女性は、混み合ったバーで、酔っ 払いのサラリーマンに暴行されそうになったのです。サラリーマンは片手 で彼女の口を押さえ、もう片方で、服を剥ぎとろうとしました。しかしそ れに1人のガイジンが気づき、男は外に引きずり出され、平手打ちを何度か食わされ、女性はことなきを得たのでした。

 

六本木

 

東京、六本木は夜ともなると多数の外国人の溜まり場となる悪名高いスポットです。外国人との出会いを求めて、または話がしたい若い日本人女 性もたくさん集まりってきます。

 

六本木は、西洋スタイルのバーやディスコ、レストランなどの宝庫です。 若い外国人には、同郷の人間と話したりできてとても良いところだ思います。しかし六本木によく行くような日本人女性は、「ガイジンなんかと交じり合ったりして」と他の日本人には眉をひそめられてしまいます。

 

おわりに

 

日本という国にも、日本人にも、他国と同じように欠点があります。でも日本にやって来る外国人はお客様として、たいていは丁重に、温かく迎えられます。誰にも日本人のものの考え方を変えることはできません。それ は彼らの心内から来るものなのです。海外へ旅行に出かけたり、働こうとしたりする若い日本人がどんどん増えて、自分たちの国に対する認識は高 まっています。その結果、日本という国の持つ問題点には、より厳しい目が向けられるようになりました。私は何人もの日本人とここでも書いたような日本の様々な問題について話し合う機会を得ました。彼らはこのよう な問題点を十分承知していて、日本社会を何かもっと正直なものに、そして政治をもっと透明性のあるものにしたいと思っています。

 

政治がいつまでも同じ古い政治家に任されず、新しい考えを持った政治家にバトンが渡されさえすれば、日本の未来は明るいと信じています。私たちの子供が大人になる頃には、同じような問題は存在していないでしょう。最後に、日本という国にはあまり陽気なイメージはないかもしれま せんが、特にあなたがここに住む外国人だったら、そうそうシリアスにとらえることもないと思います。何事も、ユーモアのスパイスをほんのひと ふりしてあげて見ればいいのです。

 

私は日本という国が好きです。嫌いだと思う外国人は(多くがそうするように)さっさと荷物をまとめて自分の国に帰ればいいのです。

 

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