子供の毎日
周りの人や社会に受け入れられるため、日本の子供は子
供らしい楽しみを持つことはあまりできません。学校が終われば、さらなる勉強のため、または同じ塾に通う子供同士の競争に勝つための、たいていは塾に通うのです。塾が終
わって家に帰ってきても、まだ学習は続きます。時には夜中、明け方近くまで・・・
さらに学校には、放課後や週末にさえ活動する、必ず参加しなければならないクラブとい
うものもあります。こういった規則にしたがって行動することは、子供が立ち向かわねば
ならない、学校生活で最大のチャレンジとも言えるでしょう。
海外である程度の教育を受けたことがあったり、100%日本人ではなかったりすると、その 子供の学校生活はより厳しいものとなり得ます。海外での教育を受けたことのある子供
は、日本の学校に帰ってきても、溶け込むことはとても難しいでしょう。なぜなら周りは
その子を「ちょっと違う」子供や「外国式の」子供だとして扱うだろうからです。そう
いった子供たちは、クラスメイトからだけでなく、先生からのいじめに遭ってしまうことさえあるのです。
前項に書いたことを裏付けるような、ショッキングな話
を私自身、子供の心配の種の尽きない日本人の親御さんたちから聞きました。
ある家族が、アメリカに転任になった夫(父親)について、いっしょに渡米しました。家
族には、息子さんが一人いました。当時7歳だったその男の子は、アメリカの生活にすぐ
に、その子の母親が慣れるよりも、ずっとたやすく適合したようでした。学校も楽しく、
友達もたくさんでき、英語力もぐんぐんと伸びて、3年後日本に帰る頃には、すでにネイ ティブ並みでした。
日本での学校生活が始まると、その子は周りの子に避けられていることに気づきました。その子の英語の先生(中年日本人男性)は、教科書の英語の文章をうまく読むことができませんでした。その子は先生の発音ミスを訂正しようとしました。そうです、その子は日本では御法度のことをやってしまったのです!
その教師は腹を立て、他の生徒のいる目前でその子を大声で怒鳴り付けるようになったのです。そうなると、今度は他の子供たちまでその子をいじめられるようになりました。両親は、教師たちによって「姿勢を正してやれ」とそそのかされたせいだと信じていました。言うまでもなく、その子は学校に行くことにおびえるようになりました。結局は東京のあるインターナショナルスクールに行くことになり、そこでは楽しく勉強を続けることができたということでした。
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