教育

はじめに

 

第二次世界大戦後、日本の教育システムは過去最大の全面的な立て直しを受けることになりました。現在の教育システムには、6年間の小学校、各3年間の中学校と高校、そして4年間の大学が含まれます。義務教育は9年間です。

学校における1年の始まりは4月です。学校の休みには、約40日間の夏休み、10日間ずつほどの春休み、冬休み(お正月休み)があります。日本における教育の目的は、何と言っても試験に受からせることです。自由な表現や個人主義などは、重要視されないばかりか、罰則の対象にさえなりえます。

「一番いい学校」 ?

 

「一番いい学校」とは、大学進学者、とくに東京大学のような一流大学への進学者の率が高い学校をいいます。

 

これが、子供が小さなうちから過度の、よい成績を取るようにというプレッシャーを与えられることになる一つの原因です。しかもよりシビアなプレッシャーが与えられるのは、冷酷なまでに厳しく、試験に受かるよう勉強を強いる母親がいる、家庭の中です。いい学校」に入ることがより難しくなってきた近年、勉強を強いられるようになる子供の年齢は寄り若年化しているようです。

 

就学前に教育を受けられるお教室や塾では、4歳(!)で受ける一流幼稚園の入学試験に備えて、幼児のうちから勉強することができます。行き過ぎたプレッシャーにたえられず、時には本当に小さな子供まで死を選んでしまうケースも少なくありません。学校に興味を失った子供の増加とともに、無断欠席率も上昇の一途をたどっています。日本の学生の無断欠席率の調査結果はをご覧ください。

子供の毎日

 

周りの人や社会に受け入れられるため、日本の子供は子

供らしい楽しみを持つことはあまりできません。学校が終われば、さらなる勉強のため、または同じ塾に通う子供同士の競争に勝つための、たいていは塾に通うのです。塾が終 わって家に帰ってきても、まだ学習は続きます。時には夜中、明け方近くまで・・・

 

さらに学校には、放課後や週末にさえ活動する、必ず参加しなければならないクラブとい うものもあります。こういった規則にしたがって行動することは、子供が立ち向かわねば ならない、学校生活で最大のチャレンジとも言えるでしょう。

 

海外である程度の教育を受けたことがあったり、100%日本人ではなかったりすると、その 子供の学校生活はより厳しいものとなり得ます。海外での教育を受けたことのある子供 は、日本の学校に帰ってきても、溶け込むことはとても難しいでしょう。なぜなら周りは その子を「ちょっと違う」子供や「外国式の」子供だとして扱うだろうからです。そう いった子供たちは、クラスメイトからだけでなく、先生からのいじめに遭ってしまうことさえあるのです。

 

前項に書いたことを裏付けるような、ショッキングな話 を私自身、子供の心配の種の尽きない日本人の親御さんたちから聞きました。

 

ある家族が、アメリカに転任になった夫(父親)について、いっしょに渡米しました。家 族には、息子さんが一人いました。当時7歳だったその男の子は、アメリカの生活にすぐ に、その子の母親が慣れるよりも、ずっとたやすく適合したようでした。学校も楽しく、 友達もたくさんでき、英語力もぐんぐんと伸びて、3年後日本に帰る頃には、すでにネイ ティブ並みでした。

日本での学校生活が始まると、その子は周りの子に避けられていることに気づきました。その子の英語の先生(中年日本人男性)は、教科書の英語の文章をうまく読むことができませんでした。その子は先生の発音ミスを訂正しようとしました。そうです、その子は日本では御法度のことをやってしまったのです! その教師は腹を立て、他の生徒のいる目前でその子を大声で怒鳴り付けるようになったのです。そうなると、今度は他の子供たちまでその子をいじめられるようになりました。両親は、教師たちによって「姿勢を正してやれ」とそそのかされたせいだと信じていました。言うまでもなく、その子は学校に行くことにおびえるようになりました。結局は東京のあるインターナショナルスクールに行くことになり、そこでは楽しく勉強を続けることができたということでした。

教師たち

 

ピンク・フロイドの「The Wall」という曲を聞いたことはありますか?この曲はまさに、日本の典型的な学校生活が表現されていると思います。教師たちは、折りに触れて厳しい体罰を与え、生徒に重傷を負わせたり、時には死に至らしめることさえあります。特に、その無分別さと犯罪の残忍性のため、記憶からか

き消すことのできない事件も最近ありました。

その若い女子中学生は、時々学校に遅刻することがありました。同じように遅刻しそうになった朝、一生懸命校門に駆け込んできた彼女を閉めだそうと、そこに立っていた一人の教師が重い鋼鉄の門を目前で閉めようとしました。その門に頭を挟まれたその子は、亡くなってしまいました。私はショックを受けました。これは明らかに意図的な殺人です。それなのにその教師は、それほどの罪には問われませんでした。

将来は? 

 

このように、教師の残忍性が浮き彫りにした事件はたくさんあります。このような罪が許されるなんてことは、世界中のどこでも許されることではありません。同じ罪への刑罰は、平等でなければならないはずです。

 

学校の無断欠席率が、どの年代の子供の間でもこの23年間で恒常的な伸びを見せていることも、全く不思議ではありません。文部省は、教育改革を叫び始めてもう久しいにもかかわらず、いまだ具体的な、教師教育の改善、教師の精神面からの適性検査といった改善策は、実行に移される気配もありません。それなのに教科書の検閲、特に第二次世界大戦中の南京虐殺、従軍慰安婦問題などの記載取消しなどは驚くほどすばやく決行されます。不思議だとは思いませんか?でも、明るい面もない訳ではありません。日本の子供たちは、ダイナミックな創造力を見につけることは教えられていないにしろ、その学習レベルは、世界でもトップに入ります。日本の教育システムの将来を握っているのは、政治家、新しい世代の教師と文部省の官僚たちです。昔からの「教育の見張り番」にはできなかった実体のある変革を、彼らはもしかしたらやってのけるかもしれません。子供に

もう少しの自由を与え、創造力を持つことを許せることは、将来の国の利益になり得ることなのです。どの国でも、子供は地球上でもっとも大切な資源ですよね?

 

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